「この世から消えさせてくれ」



空は皮肉めいた一言を誰もいない部屋で呟いた。
そして嘲笑するように口元を歪めた。



呟いた言葉は灯りもつけていない部屋の闇にのまれ、
誰にきかれるもともなく消え去る。



そう、俺には死ぬ勇気なんてない。これは嘘だ。
死にたい?馬鹿馬鹿しい。死ねるならとっくに死んでいるはずだ。



空はすぐにそんなことを考えることをやめて目を閉じた。
考えても無駄だ。


そう、いつも通りすることもないから眠るんだ。
そしてまた朝が来て俺はいつも通り部屋ですごして
また眠って起きて、眠って…



そんなことを考えながら空はいつの間にか眠っていた。