あるマンションのそば。
マンションの住民がひそひそ話しているのを聞いた。

「あの少年、不気味よねぇ...」

「この前なんてそこから飛び降りたのよ!
それなのに無傷で立ち上がったんですって」

「まぁ怖い...化け物のようね」

「それに突然奇声をあげたりするらしいわ。
部屋の前がこの前血だらけだったんですって。」


私は確証を得た。絶対あのひとだ...!
琴葉はそのマンションの住民に話しかけた。

「あのう、すいません。その男の子ってどの部屋ですか?」


そういうとその人たちは部屋の番号を教えてくれた。
そしてそのあと、心配そうにひそひそと言う。

「お嬢さん、あのこのところへは行かないほうがいいわよ?
殺されてしまうかもしれないわ...」


私はごくりとつばをのんだ。すこしの恐怖を感じた。
けれどぎゅっとこぶしをにぎりしめる。


「はい、気をつけます。」


私は決心してエレベーターに乗り、あのひとの部屋へ向かった。