「えっー!?」
次の日、琴葉は病院でそんな間抜けた声をあげていた。
カウンターの看護婦さんが困ったように言う。
「だから、ごめんなさいね。
あと、彼の希望もあるけれど、住所などの個人情報は教えられないの」
そう、彼はもう退院してしまっていたのだ。
それどころか住所もわからなくって、どうしようもない。
せっかく見つけたのにー...!!
琴葉は軽く看護婦さんにお辞儀をすると病院を飛び出した。
どうしよう!どうしよう!どうしよう...っ!!
どうしてもあのひとに会いたいのに。
手がかりはゼロ。ふりだしに戻ってしまった。
その日から琴葉は必死になってまわりにその少年のことを聞きまわった。
すると、薬局で睡眠薬を買っていっただとか、ロープを買っていっただとか、極めつけに包丁を買っていったなどの情報を得た。
私はあせっていた。
どう考えても自殺するとしか思えない道具だ。
せっかく見つけたたった一人の人なのに、自殺してしまっては意味がない。
毎年四月になるたび色々探し回った。
でもそれらしき人は見当たらなくてただの日常が広がっていた。
そうしてようやく今年、こんなありえないことが起こり
その人物を目にするところまで来たのだ。
今年がその千年に一度なら他にあと三人居るはずだけれど
どこに居るのか見当もつかないのだから、一番近くにいるあのひととどうしても話したい。
琴葉は走りに走り回ってついに確証に近い話をきいた。

