数年前。まだ私が小学生だったころ。


たまたま入った書斎の机の下に大事そうにしまわれている本があった。

私はそのころから本が好きで、難しい漢字もまわりの子達よりは読めた。



開いてみると、あのおはなしが広がっていた。
千年に一度の呪い、昔その呪いにかかったといわれる人たちの伝説のようなもの。



なぜか幼い自分の心を引き込むものがあり、
琴葉は夢中で本を読み続けた。



そのあと祖母にばれてしまったけれど、祖母はにっこり笑うと
私をひざにのせて優しい声で話してくれた。



「おとぎ話のようでしょう。でもね、おばあちゃんは思うの。
本当にこれはあることで、嘘つきに神様がお怒りになるのよ。

けれどおばあちゃんは一度でいいからそれを目にしてみたかったの」



おばあちゃんは子供のような笑顔でそう言う。




「だからね、琴葉。嘘はついてはいけないよ。」




祖母はそういうと私にその本をくれた。



「おばあちゃんは生きているうちにその呪いを目にはできなかったわ。
続きは琴葉にまかせるわね...」



その日からその本は琴葉の宝物になり、夢になった。


そんなとき、あのニュースを目にしたのだ。