その本の内容は驚くものだった。



『4月1日 エイプリルフールの偶然の呪い』



そう記された本の題名。
その呪いの内容こそ、今の状況だった。



4月1日。エイプリルフール。
誰でも知っている嘘をついても許される日。



けれど、嘘をついても許される日なんて本当はない。


その呪いは嘘をついた人々の中からランダムに千年に一度四人が選ばれ、
その四人がついた嘘を逆転してしまうというもの。



つまり、空は死ぬ勇気なんてないくせに、
「この世から消えたい。」とエイプリルフールに嘘をついた。



そして何の因果かその四人に選ばれた。
「この世から消える」を逆転させる...



つまり俺は、 




「こ の 世 か ら 消 え ら れ な い」





そういうことになるのだ。


空は本を閉じると頭を抱えてしゃがみこんだ。


信じられない...信じられるわけがない。

ただのエイプリルフールがこんなことを巻き起こすなんて。

こんなアニメみたいなことが自分の身に起こってるなんて。




「信じられるわけないだろ...!」



そう呟く空を、琴葉はじっと見つめていた。