「矢沢。今のは聞かなかったことにする。じゃないと、お前のこと抱きしめたくなるから」 新垣先生は、少し振り向いてそう言った。 キャ~! そういう展開?? 嬉しい。 今日は、ずっと“教師”の顔のままだと思ったのに。 「新垣先生、滝に到着したら抱きしめてくれますか」 調子に乗る私。 「そんなこと言われて、我慢できるか・・・・・・ばか」 静かな山の中で。 小鳥のさえずりを聞きながら。 先生に抱きしめられた。