会社に戻るまで、私達はゆっくりと歩きながらいろんな話をした。 出会った時の話、社員旅行の話、これからの話。 沙織は、言ってくれた。 「直と先生みたいな夫婦に憧れてるんだ」 と。 いつか、なれると信じてる。 大野さんと沙織はお似合いだもん。 午後からの仕事は、取引先の人に最後の挨拶をしてばかりだった。 別の部署の人達も私に会いに来てくれたりして、なんだか、しんみりしちゃった。