でも、その直前に嫌でも聞こえてしまった。 幸さんの「秀平、早く」という声が。 そっか、幸さんと会ってるんだね、秀ちゃん。 そう言えば、前にもあったな。 デートをドタキャンした秀ちゃんは、あの時も幸さんと会っていたんだっけ。 もうここまでくると、わたしの予想も確実なものになってくる。 でもわたしは、最後まで微かな希望を捨てることが出来なかった。 「せっかく街まで来たんだから、ブラブラしていこうかな」 本当は秀ちゃんと来たかったカフェの前を通り過ぎて、近くの雑貨屋さんに入った。