あっ、そうか。

村田ちゃんはジョンが帰ることが決まったって知らないんだ。



「あー、そうだったね。村田ちゃんにはまだ話してなかったかな」

ジョンがジョッキを置いて、彼女の方を向いた。



「先月で最下位脱出したろ?だから来月にアメリカ本社に戻ることになったんだ」

「え……?」

「まあ、最初からそういう契約でこっちに来てたしね」

「じゃあ、もうジョンと一緒に仕事が出来ないの?」


今にも泣きそうな村田ちゃんの声だった。