「やめろ!」 目にうっすらと涙が浮かんだ時だった。 仲森さんが消したくても消せないあの過去を知っていた彼女の言葉を遮ったのは。 「もうその話はやめろ」 仲森さんの冷たく、でも切ないその声を聞いて。 それから、この話題に触れなくなった。 やっぱりダメだ…… 仲森さんはまだあのことには触れてほしくないと思っている。 つまり、野球に未練が残っていて、忘れたい過去だということ。 わたしは彼の人生を一瞬で狂わせてしまったんだ。 わたしはどうやって…… 責任をとったらいいのだろう。