洗濯物を干し終えて階段を下りようとした時、丁度やってきたランシュが階下から呼んだ。


「ユイ、誰か来たよ」
「あ、多分、配達の人だ」


 ケーキの材料となる小麦粉や卵、牛乳、フルーツなど、重いものはまとめて配達してもらう事にしてある。

 結衣は慌てて、階段を駆け下りた。

 丁度三分の二ほど下りた時、あまりに慌てていたせいか、足を踏み外してしまった。


「きゃっ!」
「あぶない!」


 結衣の身体が宙に浮き、尻餅をつきそうになった瞬間、ランシュの腕の中に抱き止められていた。