どうやら、いつもはランシュが、後片付けを手伝っているらしい。

 食事を終え、ランシュと共に部屋を移動しようとすると、ユイが茶を乗せたトレーを差し出した。


「私は邪魔しない方がいいんでしょう? だから先に渡しておくわ」


 ロイドはトレーを受け取り、礼を言う。


「あぁ、すまない。おまえの話を聞くのは、後でもいいか?」


 本当はユイの方が先約だった。
 申し訳なく思いながら問いかけると、ユイはなぜかニコニコしながら答える。


「うん。かまわないわ。私は後片付けの後、明日の準備があるし。気にしないでランシュとゆっくり話して」

「じゃあ、後でな」


 そう言ってロイドは、ランシュと共に二階へ上がった。