味噌の調達が終わり、結衣はケーキを作り始めた。

 毎週定休日には、ロイドのためだけにケーキを作る。
 今日のケーキは、ロイド用にミルクチョコレートを増量した、濃厚ガトーショコラにした。

 ランシュは街から帰ると、結衣の薦めで早速買ってきた服に着替え、朝と同じようにソファに座って、時々結衣の様子を眺めながら、雑誌を読んでいた。

 結衣がケーキを作り始めると、側に来てそれを眺める。

 何がおもしろいのか尋ねたら、どうやってお菓子が出来るのか興味があると言った。


「オレも今度作ってみていい? 上手くできるようになったら、ユイの手助けにもなるし」


 ランシュの提案に、結衣は微笑む。


「うん。ありがとう」