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次の日。私はサクを見送ったあと、仕事に行く準備をした。

早く起きなきゃいけないのはツラいけど、徐々にこの生活になれていかなきゃ。


結局あのあとサクと私は仲良くカレーを完食した。なんで反応が薄かったのか聞いたら、『ノラが俺に気を遣ってムリをしてるんじゃないかって思ったんだよ』だって。


たしかに私は自分のできることを探してやったけど、それはサクのためだけじゃない。

だってコンビニ弁当ばっかりじゃ太るんだもん。


カレーが発端であんなことになるとは思わなかったけど、逆によかったのかもしれない。

言いたいことはまだあるけど〝言ってもいいんだ〟って分かったから。


『でもビックリしたよ。ノラすごい足速いんだもん。本当に猫かと思った』って、クスクスと笑いながら言われた時はまたカチンときたけどね。

まあ、色々あったけど普段どおりに戻れてよかった。