私は明日からサンセットで働くことになった。
仕事の内容とかシフトとか、そのあと鉄さんと色々な話をして。でも半分は従業員の人たちが乱入してきて下らない雑談になっちゃったけど。
このハイテンションにどこまで付いて行けるか不安だけど、気さくな人ばかりで安心した。
気がつくと窓の外は夕暮れになっていて、私は鉄さんに近くのコンビニまで送ってもらうことになった。
「店までの道は覚えた?不安なら明日迎えにいこうか?」
コンビニの駐車場に着いて、鉄さんはバイクに股がったまま言った。
一応地図は貰ったし、難しい道のりじゃないから大丈夫。
「平気です。明日からよろしくお願いします」
私はペコリと頭を下げた。
「そっか。分かった」
鉄さんはそっと右手を挙げて、大きなエンジン音をふかしながら走り去っていった。
……さて、サクに報告しなきゃ。
ビックリするかな?まさか本当に働くとは思ってないかも。複雑な顔をするだろうけど、きっとサクは優しいからダメって言わない。
でも、私が働いてお金を貰うようになったら……
サクの家に住む理由はなくなるのかな。
だってサクは私がなにも持ってなくて、帰る場所がないから優しくしてくれて。
もし私がひとりで生活できるようになったら、
私たちの関係はどうなるんだろ?