『嗚呼あの子はなんて醜い』 『どうしようもない幻想狂』 『救いようの無い犯罪者』 『見捨てられた哀れな子豚』 ふと背後に迫る、雲か、霧のような真っ黒な『なにか』。 その闇に取りつかれた死者と罪人が我が名を呼び、罵り、貶めようと腕を伸ばす。 その腕を切って捨てることはいかにも簡単で、確かに自分が存在している現実世界ではいつだってやってのけていることだ。 なのに今は、この夢の中では振り返ることすら恐ろしい。