肩がずり落ちる並みに重初は唖然としている。
否、むしろその質問に怪訝そうな顔で答えを考えあぐねているようだ。
「これが私の答えを決定づけるものになるのです。どうかお答えくださいませ」
秀実の言葉に重初は小さく息をつき、瞳を閉じた。
真剣な瞳に負けた、ということだろう。
ここまで言われてしまえば彼を信じるしかない。今までもそうやって彼に信を置いてきた。
重初は瞼の裏に焼き付いた千の顔を思い浮べた。
どこか儚げに偽りの笑顔をつくり、相手を惑わそうとする。
しかし確かに彼女は美しかった。
重初自身はあの愛想笑いに近い笑顔には騙されなかったが、普通の男ならば自分に気があるのではないかと思ってしまうに違いない。
「……ああ。綺麗だったな、お千は」
偽りでないものも美しかった。
だが最後に見せたあれは真実だと思う、いや思いたい。


