「バーカ」
そうぶっきらぼうに言って、あたしの頭を軽く撫でた。
てっきり叩かれると思ったあたしは、不意打ちにキュン!しちゃった訳で。
無性に、あたしも翔ちゃんに触れたくなった。
「ぅおっ!?何だよ」
「翔ちゃん好き好き好きぃ~!」
今なら許してくれそうだったから、思い切って抱き付いてみた。
ギューッと腕に力を入れると、翔ちゃんも抱き締め返してくれた。
それが嬉しくて、また泣きそうになっちゃったのは秘密だけどね。
「翔ちゃんは、あたしのどこが好きなの?」
「え?付き合う時に言っただろ」
「えぇ?言ってないよー」
言われてたら絶対覚えてますもん!
「そうだっけ?えー…まぁ気にすんな」
「気になるよぉー!教えてよー!」
「うるさい、うるさい」
もーっ。翔ちゃんのおケチんぼ!
でも……言われてましたっけ?思い出せない……。


