翔ちゃんと居ると、心が乱されて普通じゃいられなくなるんだ。
止まらない涙を流すあたし。どこから湧くのか聞きたくなるほど、後から後から溢れ出す。
これ以上、ウザいって思われたくないのに。嫌われたくないのに。
ただ、
笑って欲しかっただけなのに――――……。
「…だーっ!どうすりゃいーんだよ!?」
「……!?」
突然、翔ちゃんが叫んで。
思わず肩を跳ね上がらせたあたしに、勢い良くその場にしゃがみ込んでしまった。
黙って待つことしか出来ない、あたし。
「…翔ちゃん?」
声を掛けても、答えてくれなくて。
「…翔ちゃん?」
少し体を屈めて、中腰の高さで聞いても返事は無くて。
「…翔ちゃん?」
同じ高さにしゃがんで聞いても、こっちを見てはくれなくて。


