残暑とはいえ、暑さは厳しかった。


 その日、岩原がまとめる新民党岩原グループの議員たちに、社自党の一部の議員が集まって、演説会は盛大に開かれたのである。


 返って議論が低調な国会よりも、この演説会の方が盛り上がっていた。


 俺もカーラジオを付けて、中継される岩原の演説をずっと聞いている。


 岩原は、


「今、国民の皆様にご理解いただけるのは、我々の作ろうとする新党であります。同志とともにこの新党を結党することで、必ず国民の皆様の生活が安定いたします」


 と言い、<新党>という言葉を繰り返し盛んに使っていた。


 永田町では政党の離合集散など、当たり前にある。


 いくら新民党・社自党の二大政党制であっても、小政党や会派も含め、いろんな団体が存在していた。


 俺も長年政治家の運転手をやっているので、この人間たちの中に渦としてある欲望を知っている。


 確かに縁の下の力持ちだ。