「君には俺の意中が分かるか?」


「いえ……」


 あえて誤魔化しておいた。


 知らないといった風に。


「俺がやろうとしてるのは霞ヶ関をぶっ壊すことだ。あそこには数兆円の埋蔵金が眠ってる。それを掘り起こす。官僚主導の政治から、国民主権の政治に大転換させるんだよ。それが俺の作る新党の理念だ」


「なるほど」


「君には当分運転手を続けてもらう。それに俺の事務所経費の問題もちゃんと会見を開いて、マスコミを通じ国民に説明するつもりだ」


「そうですか」


 言葉が見つからなかった。


 何かを言えばすぐに言い返すところが、この男のやり方だ。


 金銭感覚などほとんどないのだし、二億の金など国政を司る政治家にとっては、わずかな額だろう。