そういったことは承知していた。


 だが岩原もそういった場ではあまり話しをしない。


 特に金銭問題に関しては、堅く口を閉ざしていた。


 二億の金が動いたのだから、事態は大変である。


 この金がどこでどう処理されたのか、藪の中だった。


 突然二億円分の金銭がどこかに消え去ったのが、真相である。


 俺も気になっていた。


 二億という金は岩原ぐらい勢力のある党内のグループのドンであれば小銭で、使途も分かり辛い。


 ハンドルを握りながら、サイドミラーで否応なしに後部座席の様子が見える。


 チラッチラッと様子を窺っていた。


 岩原はずっとパソコンの画面に見入っている。


 そしてキーを叩きながら、メールなどを打っているらしい。