だが誰もがそういったことにまでは至らないのだ。


 それに俺も岩原が何かと金に汚いのを知っている。


 金銭にクリーンな議員じゃないことぐらい、分かっているのだった。


 何でも金で買い取り、吸い上げようとしている。


 愚かしいと思う。


 ここまで執着があるのかというぐらい。


 お抱え運転手としてそんなことを感じているのだった。


 現に今も後部座席でパソコン上にある原稿をチェックしながら、片方の手でスマホを握り、演説会に集まる議員たちとコンタクトを取っている。


 これが年も七十に近い老兵の姿かと思い。


 そして俺も気を遣っていた。


 今いる都内某所から永田町の憲政記念館まで、ものの十分ほどで着く。


 ゆっくりしている暇はない。