FIN
 二月の半ばはしばらくの間、ずっと身辺に気を配っていた。


 内田が俺を狙っている気がしたからである。


 恐ろしい。


 勘違い女の行動は。


 護身用にと思って、こっちもダガーを一本所持していた。


 別に刺し違えるわけじゃなかったのだが、慎重には慎重を期して、である。


 ずっと歩いていた。


 品川の街を。


 離れた場所へと移動する際は、もっぱら電車か地下鉄、バスなどを使う。


 待ち時間にスマホを見ながら、情報を入手していた。


 だが、どうしても気配がする。


 内田が俺を付け狙っているという。