まあ、現段階では情報集めするに過ぎなかったのだが……。


 ただ、俺も思っていた。


 今、この苦しみから抜け出す方法はあるのかと。


 あるのだ。


 いっそのこと、政界自体から抜けてしまえばいいのである。


 そうすれば、何も煩わしいことに首を突っ込む必要はない。


 それに俺も民間企業で働いた方がいいのかもしれない。


 三十代で、まだ転職は出来る。


 もちろん、相当条件の悪いものになるとは思われたのだが……。


 だが、それでもいいのだった。


 そう思って、いずれ岩原事務所に断りの電話を入れるつもりでいたのである。


「秘書で雇っていただける件ですが、お断りいたします」と。


 俺も生身の人間だから、心身ともにボロボロになるまで働く必要はなかった。