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 それから二月の中頃まで、淡々と藤井の運転手役を務めていた。


 ずっと張り付きっぱなしである。


 ほぼ一日中。


 俺も合間の時間はずっとスマホを弄っていた。


 別に変化というものはない。


 単に岩原から議員秘書として待遇する連絡が来たというだけで。


 ずっと考え続けていた。


 今、自分は与党の議員に付けばいいのか、それとも野党の人間たちと手を組むべきか……?


 ただ、強いて難点を言うとすれば、岩原が俺に対し、秘書という立場で厚遇してきたとしても、岩原の世間での評価は変わらないということである。


 やはりあの壊し屋は腹黒いという。


 俺も思っていた。