多分、夜間眠れてないのだろう。


 慢性的な睡眠不足で。


 俺も察していた。


 政治家の仕事の大変さを。


 車は専用の通用口から入っていった。


 藤井はまだ眠ったままだ。


「先生、ご到着です」


 そう言うと、藤井が、


「ああ、済まないね」


 と言って起き出し、カバンを持って車を降りた。


 そのまま歩き出す。


 藤井は秘書の石松という男性とツーカーで通っている。


 何かを謀議するのは間違いないと思った。