さすがに末端の人間なので、上に対し、強く言えることはなかったのだが……。


 ずっと待ち続けている。


 ちょうど午後二時過ぎに藤井が店から出てきた。


 車に着くと、扉を開け、


「今からまた国会内の事務所に行ってくれないか?大事な用件がある」


 と言って、車を出させる。


 酒は飲んでなくて、普通に食事を済ませただけのようだった。


「分かりました」


 頷き、アクセルを踏み込んで、車を出す。


 都の中枢部を走り抜ける。


 さすがに眠気が差してきた。


 ポケットから眠気覚ましのガムを取り出し、噛みながら運転し続ける。


 藤井は半ば居眠り気味だった。