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「堀原」


「はい」


「見たか?昨夜の岩原先生の保釈の様子を」


「ええ」


「どう思った?」


「いえ、どうと仰られましても……」


「あの方にはもうお力がない。実は俺も、先生が新民党を飛び出された時点ですでに政治生命は終わっておられると思った。それだけ大政党の力は強い。大所帯から出れば、少数勢力にしかならないから、ダメなんだ」


 藤井は持っていたノートパソコンから目を上げ、言った。


 俺も頷き返すしかない。


「まあ、確かに政界では大政党が強いですしね」


「だろ?俺も岩原先生があそこまで落ちぶれておられると、もうお先はないと思ってる」