このタイミングで解散して何かメリットがあるのだろうか……?


 本来なら、来年の任期満了まで解散せずに、社自党と折り合いながら政権運営をすればいいのだった。


 川浪は一国の総理なのに、バカ正直に野党から言われるがまま、解散に踏み切ってしまったのである。


 俺も思った。


 少なくとも腹の内が真っ黒な岩原より、川浪の方がマシだろうと。


 しばらく様子見するつもりでいた。


 与野党が選挙戦をどう戦うかを。


 新民党の大敗北は目に見えている。


 衆院解散と同時に、首長連合が新党を立ち上げた。


 二大政党にプラスして、第三局に走るつもりだろう。


 すでに選挙で社自党が勝つと踏み、連立のパートナーとしてくっつくものと思われた。


 総選挙後の政界は分かりにくい。