と、ふふんと言ってのけた。

「そうですねー」

 私は少しふてくされてみせる。

「結婚式のスピーチ、お願いします。また園田部長にも言いますけど」

「うん、一応は伝えておく」

 彼の結婚式に、まさか夫がスピーチを任されるなんて……けど、流れ的には合ってるか。上司だもんなあ。

「けど、すごいと思いますよ、毎日弁当。しかも綺麗に作ってるし」

 ここにきて、初めて弁当を褒められたことに驚いた。今まで弁当を散々見ていたのに、何も言わなかったのに。

「え、まあ……」

「お菓子も時々作ってくるじゃないですか」

「うんまあ、たまにね……」

「そういうの、いいと思います」

 彼女の料理の腕と比べてるのか……。

 まあ、仕方ない。私の方が主婦歴は2年も先輩だし、確かに家事もそれほど苦にはなっていないから、腕は上がっているのかもしれない。

「結婚で大事なのってやっぱ料理ですよね。僕も料理ができる人で良かったです」

「……」

 あれ、そういう流れ?