「何だ、畏まって」



「デニムがないのよ、デニムが」



厭味を言うパパを睨みながら、私はキッチンに入った。



「手伝います」



「良いのよ。アリスちゃんは楽にしてて?長いこと仕事してたんだもの。私が言うのもおかしいけど」



ママが亡くなってから、パパと不慣れながら2人で交代をご飯を作って来た場所。

居場所を、大切な場所を奪われたようで、お願いするも、良い気分ではなかった。