旦那様は芸能人~そして、初恋の人~【完】

「…ん?恵央斗の携帯、鳴ってない?」



ボーッとし、寝入りそうな私の耳に携帯の着信音。

でも、私のではなかった。

「コート」と言われ、後部座席に置かれたお気に入りらしい黒のピーコートを取り、ポケットからスマホを発掘。

画面には“秋月M”と出てる。



「秋月さんだよ」



「出ろ。で、用件だけ聞け」



「うぃー」



私は画面をタッチし、鳴り続く電話に出た。