耳を塞ぎたい現状に、何とか堪えるも膝が笑い、床に崩れそう。

ただ真っ直ぐと、揺れるカーテンを見つめる。



「ここに居たければ居れば良い。俺は、アリスさえ居れば、どこでも構わない」



「恵央斗…!」



「俺も29だ。適当に生きてるわけじゃない」



「私とは本気じゃなかったの?」



「そうでもないが、重いとか面倒と思う事は、多かった」



「……」



恵央斗は沢井さんを呼び、耳打ちで何かを話す。