旦那様は芸能人~そして、初恋の人~【完】

「沢井さん……っ!;;」



焦り、追い掛けると、恵央斗が私の名前を呼ぶ。



「話は聞かせて貰ったわ」



「何なのよアンタ!」



「私の事、覚えてない?」



「知らないわよ!それにアンタ、良く敷居を跨げたわね。どこまで私を蹴落とせば気が済むの?」



「あら?アリスが何をしたのかしら?貴方がかいかぶり過ぎてるだけじゃない!」



芽衣子さんを一喝しながら、私を背に庇う沢井さん。

私はその背中に、涙が溢れた。