旦那様は芸能人~そして、初恋の人~【完】

「変な冗談は良いから、とっとと帰ってよ。落ち着かないわ」



「……わかりました」



帰る場所がわからないまま、私は財布と携帯だけを持ち、家を出た。

お義父さんたちの所へも行く気が出ずに、夕暮れの道を歩き回る。

どこに行けば良いのやら。

私の居場所って、どこ。

頼れる友達も居らず、私は近くのカフェに入り、沢井さんに電話を繋けた。

今夜だけでも、泊めて欲しくて。