林君の表情が真剣だったから? レギュラーに落ちた皆が、諦めてるのに、林君だけは、違ってたから? 本当に好きなサッカーをするために。 林君は、先のことを考えてる。 愚痴一つこぼさず。 次こそは、絶対頑張るっていう林君に、目が離せないのかも…… 生まれて初めて、私の胸がきゅんと鳴ったとき、橘君が近寄って来た。 「みゆ! 俺の練習見に来たんだろ? 林ばかり見てねぇで、少しはこっち向けよ!」