RUBY EYE


「殺せるわけ、ない・・・・・・っ」


ベッドに顔を埋めて、月野の瞳に涙が浮かぶ。

どうして?

わからない。

誰か教えて。


―――コンコン。


「月野ちゃん? 入るわよ?」


声と共に扉が開き、花村 椿が部屋の電気を点けた。

銀色のトレーには、ティーポットとカップが乗っている。


「紅茶飲まない? お姉さんが入れてあげる」

「花村さん・・・・・・」


カップに注がれた熱い紅茶の香りが、部屋に満ちる。

瞳に浮かんだ涙を拭い、月野はカップを受け取った。


「美味しいです」

「でしょう? 美鶴様の話、驚いたでしょう?」


イスに座り、椿は紅茶を口に含む。


「どっちの話ですか?」


ヴァンパイアの方?

それとも、殺しての方?


「どっちもよ。あ、私もヴァンパイアだよ」

「・・・・・・そうですか」