夏の月夜と狐のいろ。



薄暗い地下の階段を、はやる気持ちをおさえ、警戒しながら進む。


道は一本道で、まるでここに来るよう強いられているかのようだ。
進むうち、小さな扉の前に来た。


扉の端から、小さく光が漏れている。


その光は、あの魔術の陣と同じ色だ。


「・・・ここよ」

シアンは声をひそめて言う。
レオンは琥珀色の目をきらりと光らせてこちらを見た。



「さっきは毒ガスのせいで使うことが出来なかったが、私にも目のほかに攻撃手段はある。」


そう言ったレオンの影がぐるぐると渦巻き、シアンははっとレオンと出会ったときのことを思い出していた。


闇猫族のもうひとつの力、影を操る能力だ。

リリィも人間の姿のままだが、バリバリと電気をまとい、小さなナイフを構えていた。



そのナイフにも、電気がつたう。


シアンもぴりっとしっぽをするどく尖らせた。



「二人とも、頼りにしてる。絶対にノエルを助けよう!」


シアンは言い、扉をあけた。