夏の月夜と狐のいろ。



「はぁっ、はっ・・・・!」

シアンはがくんと膝をついた。

額から首筋へと、汗がつたう。やはり声まで聞き取るとなると、体力を使ってしまう。


「大丈夫ですかシアン様!?」


リリィが驚いて声をあげ、肩を支えてくれた。
シアンは頷き、リリィに微笑みかけた。

「うん、大丈夫よ」



シアンが落ち着くと、レオンがひょいっとこちらを覗き込んで訊ねる。

「場所はわかったか?ずいぶんと感情が乱れていたようだが・・・
何か危険でも迫っているのか?」


レオンの言葉にシアンはびくっと耳を動かした。

危険。その言葉にシアンの心に不安がじわじわとせりあがる。



シアンはばっと立ち上がって地面をさした。



「地下よ!地下にノエルたちがいるんだけど・・・ノエルが拘束されてて、
もしかしたら殺されちゃうかもしれない!私達もまた狙われてるかもしれないわ!」



シアンがいうと、驚いたように二人は目を見開いた。


けれど、レオンはすぐに冷静な顔になる。



「地下へ急ごう。向こうから行けるはずだ。」