夏の月夜と狐のいろ。



リリィが少し驚いたように琥珀色の目を見開いた。


「体力を消費してしまうのでは・・・・?」


シアンは頷き、そして言う。


「大丈夫。ノエルの居場所を見つけ出したらすぐに切るから。
私だって千里眼狐よ。クローンのモナミになんて負けてられないわ」


シアンをそう言いながら、モナミのことを思い出した。

シアンからラシッドにつくられて、赤い瞳をのぞくすべてがシアンと同じ姿の少女。
それがモナミだ。


モナミはシアンと違って未来まで見る事も、触った事のないものを媒介にしてでも千里眼を使えるのだ。


ぞわりとシアンのしっぽがふくらんだ。



クローンにできることが、私に・・・本体にできないはずがない。
もちろん、もともとできる千里眼など、体力を気にせずできて当然だ。



シアンはゆっくりと目を強く、見開いた。


青い色の瞳が、濃く、強い光を宿す。

まわりの音がすべて消えて、一瞬視界が青くなると、すぐに千里眼が発動した。


シアンの瞳はたちまちノエルの視界を媒介に、ノエルの入る場所を映し出す。