「シアン様ぁぁ・・・・!!」


下に、リリィの声をききながらシアンはくすっと笑った。


―脱出成功!


シアンはノエルに会うため、お付のリリィの目からのがれることに
成功してにっと笑った。



これでノエルと会うのも、数回目になる。



シアンはノエルとの待ち合わせの、森の一番外側にある木の傍へ向かった。


ここがいつもの待ち合わせ場所で、ここでいつもたくさんお話をするのだ。
そしてノエルはいつも、お菓子を持ってきてくれる。



そんな楽しい日々を過ごして居たけれど、まだ姿を見せたことは一度もなく
ノエルもあれから姿をみせてくれということはなかった。


目をあわせて話しをしてみたかったけれど
どうしても勇気がでなかった。