「ノエル・・・!」
シアンはノエルに駆け寄った。
けれど、少し手前でぴたりと止まる。
ノエルは予想していたかのように真剣な顔つきになった。
そして、真剣な声で言う。
「君の森を守れなくてごめん。でも俺は一度だってあの魔術師たちを仲間だと思ったこともない。あんな奴ら、仲間じゃない。」
ノエルはベッドから立ち上がると、傍へ来た。
そして、シアンの頬にそっと触れた。
「お願い。俺を信じて。」
シアンは、藍色の瞳をじっと見つめた。
ノエルの目は真剣。
それにノエルが嘘なんてつくわけない。
シアンはこくりと頷いて笑った。
「うん、信じるよ」
シアンは心に誓った。
絶対お父様を取り返して、そしてノエルも一緒に、またあの森で暮らすんだ。

