ドプリドプリと音をたてて、次々と怨霊がしま子の体の中に入り込む。


しま子の体が動かなくなってきた。


暴れていた手足が、力なく震えている。


「しま子っ!」

「・・・・・」

「しま子ぉっっ!!」


ノドから搾り出すようなあたしの悲鳴に、しま子の指がピクリと反応する。

そして・・・


救いを求めるように、あたしに向かって手を伸ばした。



しま子が救いを求めてる。

いつもあたしを守り続けてくれた、しま子が。

そのあたしに救いを求めてる。


あたしの目に涙がにじんだ。


待ってて! 今すぐ助ける!

絶対あたしが助けてあげるから!


抜け出せない体。

集中できない意識。

ジタバタと、虚しくもがく手足。


何もできない自分。

悔しくて涙がこぼれた。


助ける! 絶対絶対助ける!

だからお願い! 死なないでぇ―っ!!


「しま子―――――っ!!!」


「やれやれ、さっきから騒々しいねぇ」

突然、知らない女性の声が聞こえた。