神様修行はじめます! 其の二

「牢の中の囚人たちの怨霊じゃよ」


絹糸が毛を逆立たせながら説明する。


「むごい仕打ちを受け、凄惨な死を遂げた者達の怨霊じゃ」

「怨霊っ!? 野放しにしてたの!?」


よりによって、そんなめんどくさそうなものを!


「大量の札で封じておったはずじゃが・・・」

「が!?」

「おそらく札の効果の期限切れじゃ」


期・・・っ!


防虫剤かっ!


一定期間で取り替えないと、わいてくるのか! 怨霊がっ!



でも本当に、次々と虫のように湧いてきてる。


あたし達が出てきた扉からだ。


・・・なんで扉閉めておかなかったのよ!

最後に出た人、だれっ!?


「さて、これは少々やっかいじゃのぉ」


絹糸がジリジリと後退した。


「元が門川の優秀な能力者じゃ。それに怨霊になられては、始末におえぬ」

「・・・やばいの?」

「うむ。怨嗟の念は、天井知らずに膨れ上がる」

「・・・・・」

「手におえぬわ」