神様修行はじめます! 其の二

ズル、ズル、ズル・・・


あたしの耳に、何かが聞こえた。


何の音?

植物たちが機嫌を直して帰ってきたのかな?


ズル、ズル、ズル・・・


何の音なんだろう。

何かを引きずるような・・・。


ズル、ズル、ズル・・・


「ね、絹糸。何か聞こえない?」

「・・・・・」

「ねぇ絹糸。この音・・・」


・・・・・絹糸?


絹糸の背中の毛が、逆立っていた。

金色の目が、爛と光を帯びる。

そして一点を凝視している。


絹糸の低い視線にあわせて、あたしも視線を低くした。



そこに


化け物がいた。