神様修行はじめます! 其の二

色、光。香り。

夜の闇の中の濃密な時間。


あぁ・・・


酔ってしまいそう・・・。


「小娘、先を急ぐぞ」

「あ・・・・・」


ぼうっと座り込んでしまっていた。


い、いけないいけない!

今はそれどころじゃないんだ!


門川君を安全な場所まで運ばなきゃ。


「これからどうするの?」

「そこに沼があるじゃろう」

「沼?」


本当だ。沼がある。

背の高い草に囲まれてて気がつかなかった。


「その沼の・・・」


― ズザザザザ・・・! ―


突然、それまで愛を語らっていた木々達が、逃げ出した。


蜘蛛の子を散らすように、あっという間に姿が消える。


ど、どうしたの?

あたし達、ジャマしちゃったのかな?

あ、声がうるさかったかな?