おばあ様が隠し階段を作ったの?

なんだってまた、そんな物を?


「予防線、じゃな」

「予防線って?」

「永世は、華子の永久への常軌を逸した仕打ちに、危機感を抱いておった」


万が一、華子が永久を密かに殺そうとするならば・・・

この牢屋は格好の場所。


きっとここに幽閉するに違いない。


「小娘の言う通り、この世界でアナログは盲点じゃ。お陰で誰も気付かなかった」


元々、滅多に人など来ぬ場所じゃからの。


そう言って絹糸はニヤリと笑った。


「おばあ様・・・えらいっ!」

「完成しておったとは、我も知らんかったがの」

「よし、行こう! しま子!」


しま子を促し、あたしは仕掛け扉に近づいた。


緩やかな傾斜の階段がずっと奥に続いている。


おばあ様、ありがとうございます。

これで門川君を救えます。