神様修行はじめます! 其の二

あたしは唇を噛み締めた。

そして彼の片腕をとり、自分の首に回した。


「小娘、何をする気じゃ?」

「うん。絹糸の言う通りだ」

「うむ?」

「できない事は、当然できないよ」

「・・・・・」

「だから、できる事をする」


とにかくまず、ここから彼を連れ出す。


ここに彼を置いておいても、いいはずがない。



ここから逃げ出して

どこか安全な場所にかくまって


そして無理やりにでも、口の中に水と食料を突っ込んで

ゆっくり休ませて


体が回復したら一発ぶん殴って

そして・・・


彼を思いっきり、抱きしめるんだ!

この両手で!

想いの全てを込めた両手で!



「やれる事、いっぱいあるもんね」

「小娘・・・・・」