神様修行はじめます! 其の二

彼と手を繋ぎ歩き出す。

絹糸を抱いたしま子がついてくる。

彼の手の冷たさと温もりを同時に感じながら、あたしは思う。


彼は、生まれたばかりのひよこだ。

くちばしで殻を破り、ちょこんと顔を覗かせている。

周りの全てが初めてで、何も知らない。

今やっと大きく開けた両目で、世界が何かを知ろうとしている。


この、冷たくて無表情で、冷静沈着で頭脳明晰で・・・

類まれな力を持ち、秀麗な美貌を誇る、常に大人びた彼が。

ひよこちゃんだよ。ひよこちゃん。

笑ってしまう。


だから・・・一緒に生きていこうと思う。

あたしもひよこだから。


お岩さんが言ってた。

これからのあたし達が行く道は、至難の連続だって。

その通りだと実際思う。

門川を変えると言っても、そう簡単に済むはずがない。


その石ころだらけの道を、彼と共に歩いていこう。

お尻に殻をくっつけたまま、なんとか必死に歩いていこう。


そう、こうやって手を繋いで。

しっかりと固く手を繋いで。


生まれたままのまっさらな目で、信じた道を歩いていこう。

大丈夫。どんなに辛くてもきっと行ける。


絹糸、しま子。

お岩さん、セバスチャンさん、子猫ちゃん。主さん。

みんなも歩いているから。

それぞれの荷物を背負いながら、共に手を取り合って歩いているんだから。

だから絶対に大丈夫だ。